経済大国のアメリカがデフォルト危機!?想定される経済や不動産価格への影響を解説

今、ニュースや各メディアで話題となっているのがアメリカのデフォルト危機です。万が一デフォルトに陥ることになれば、アメリカだけでなく世界中で大混乱を招くことが予想されます。また、不動産価格への影響も想定されるため、これから不動産投資を始めようとされている方や、すでに不動産を所有している方も注目すべき内容です。本文では、デフォルトに陥った際に想定される経済的な影響から、不動産価格への影響についても解説しておりますので、決して他人事だとは思わず、ぜひ最後までご覧ください。

 

そもそもデフォルトって何?

 

ニュースや各メディアでデフォルトという言葉はよく耳にすると思いますが、そもそも「国がデフォルトする」とはどんな状態を指すのでしょうか。一言でお伝えすると、国が債務不履行に陥る、つまり国が借金(国債)を返済できなくなる状態です。一度デフォルトに陥ると国際的な信用を大きく失うことになり、その国の通貨は売りが進み、通貨の価値は下落していきます。実際に2000年以降にデフォルトに陥った国として、エクアドルやウクライナ、ギリシャなどが有名です。特にギリシャで発生したデフォルト(通称ギリシャ危機)は、財政赤字の隠蔽が発覚したことでギリシャ国債が下落し、ギリシャ国内だけでなくユーロ圏全体にも大きな影響を与えました。その国の経済規模にもよりますが、一度デフォルトに陥ると、大抵の場合はその国だけの問題に止めることは不可能であり、その国周辺あるいは全世界に影響を及ぼし得る非常に重大な事象です。

 

 

なぜアメリカはデフォルト危機に陥ったのか?

 

実はアメリカは、過去に何度もデフォルトの危機に瀕したことがありますが、一度もデフォルトに陥ったことはありません。もはや恒例行事化しているこの状況を理解するには、アメリカの「債務上限問題」を知る必要があります。アメリカは経済規模が大きいだけに、財政支出も大きく、国民からの税収だけで賄うことは困難です。そこで、国債を発行して購入してもらう、つまり新たに借金をして必要資金を捻出しています。

ところがアメリカでは、国債発行額に上限が設けられており、上限を拡大するには議会で承認を得る必要があります。ではなぜ、債務上限は撤廃せずに残されているのでしょうか。それは、民主党と共和党にとっての交渉材料として使用するためです。「債務上限の拡大に賛成するから、こちら側の要求を通してほしい」といった具合です。こういった事象が度々発生し、期日ギリギリのタイミングでどちらかが折れて債務上限を拡大、デフォルトを回避してきたのです。また、以下のグラフの通り、アメリカ政府の債務上限は年々増加していることがわかります。

 

引用:日本経済新聞「米政府債務上限」

 

デフォルトした場合の経済や不動産価格への影響

 

アメリカは今までに一度もデフォルトを起こしたことはないとはいえ、万が一デフォルトに陥った場合にどのような影響が想定されるのでしょうか。

 

 

政府サービスの停滞

 

先ほども述べた通り、政府の財源の一部は国債を発行することによって賄われています。もし仮に国債が発行できなくなってしまうと、国家公務員への給料未払いや、政府機関の機能が一部停止、給付金の支払いや社会保障制度を維持することも困難になります。

 

 

アメリカ国債下落に伴う世界的な金融危機の恐れ

 

アメリカ国債が格下げされることによって、ドル通貨や株の売りが頻発し、人々は他の通貨や金融資産を購入しようと試みます。世界の基軸通貨であるドルの売りが頻発することで、世界的な金融危機に陥る可能性があります。

 

 

住宅ローンや自動車ローン金利の上昇

 

金利が上昇する要因は様々ありますが、今回はアメリカ国債の売りが頻発することによって、アメリカの金利が上昇することが想定されます。金利が上昇するとお金を借りづらくなってしまうため、個人はローンを組むことによる消費活動が消極的になりますし、企業は融資を受けての積極的な投資が困難になります。

 

 

不動産価格への影響

 

すでに述べた通り、アメリカ国内では住宅ローン金利の上昇が想定されます。それによって、住宅の購入は消極的になり、不動産価格が下落していく可能性があります。あくまで、金利と不動産価格の関係を基にした一般的かつ長期的な想定とはなりますが、不動産市況に大きな影響を及ぼすことは間違いないでしょう。また、金利の上昇に伴ってアメリカ国内で融資を受けることも難しくなります。従って、アメリカ人の購買も減少していくことが予想され、日本人やその他の外国人がアメリカ不動産を購入しやすくなるでしょう。

 

 

 

まとめ

 

今回は、今話題のアメリカのデフォルト危機について解説しました。

 

これまで一度もデフォルトを起こしたことがないとはいえ、万が一のことを考えると、非常に不安を煽るような内容です。6月の初旬には事態が大きく動く可能性があるため、引き続き目が離せません。

 

また、本文でも述べた通り、アメリカのデフォルト危機は不動産価格にも影響を与えるでしょう。特にこの不安定な情勢の中では、どのような戦略で不動産投資を行うかが非常に重要です。

現在、世界各地で不動産投資をされている方は、場合によっては今の不動産を売却し、他エリアの不動産を購入した方が有効かもしれません。そのためにも、まずは所有している不動産の価値を認識しておきましょう。

 

アイ・インターナショナル株式会社では、様々な国と地域の不動産査定が可能ですので、この機会にぜひ一度、弊社の不動産査定をお試しください。また、世界各国に不動産ネットワークを持つ当社だからこそ、お客様のニーズに合わせた幅広い海外不動産の投資プランをご提案できます。不動産投資に少しでも興味があるという方、ぜひお気軽に弊社までご相談ください。

 

査定依頼はこちら

 

なお、本記事における解説情報はあくまで一般論であり、個別具体的な考え方や手法は投資物件によってケースバイケースです。より詳細な情報やノウハウ等については、お気軽にお問い合わせください。