日本の不動産投資で価格交渉をする際の重要ポイント5つ

日本で不動産投資をするにあたり、価格交渉の段階で以下のような点で迷うことはないでしょうか。

 

・購入希望価格の算出方法

・価格交渉を上手に行うコツ

・価格交渉の材料

 

物件の購入価格によって、利回り・売却益という不動産投資のパフォーマンスが根本的に左右されるため、価格交渉は不動産投資において最も重要なフェーズといっても過言ではありません。

 

本記事では、物件を少しでも安く購入して投資のパフォーマンスを上げたいという海外投資家に向けて、日本の不動産投資で価格交渉する際の重要ポイントを5つ解説します。

 

 

【目次】

 

1-日本の不動産投資で価格交渉をする際の重要ポイント5つ

┗1-1論理的に根拠のある希望価格を提示する

┗1-2売主側のメリットも提示する

┗1-3仲介業者にもメリットを提示する

┗1-4金融機関の融資内諾を得ておく

┗1-5売主の売却理由、売却活動の開始時期を確認する

2-まとめ

 

日本の不動産投資で価格交渉をする際の重要ポイント5つ

 

日本の不動産投資で価格交渉をする際の重要ポイントは以下の5つです。買主目線での希望のみを提示するのではなく、売主や仲介業者の事情を把握した条件を示すことで、積極的ながらも円滑な価格交渉を行いましょう。

 

■論理的に根拠のある希望価格を提示する

■売主側のメリットも提示する

■仲介業者にもメリットを提示する

■金融機関の融資内諾を得ておく

■売主の売却理由、売却活動の開始時期を確認する

 

 

論理的に根拠のある希望価格を提示する

 

買主としての購入希望価格を提示する際は、どのような理由でその価格での購入を希望するのかという点を明確に示すことが重要です。

 

「とにかく安く買いたい」という感情だけで売主が価格交渉に応じてくれる可能性は低いため、論理的かつ客観的な根拠のある適正価格を購入希望価格として提示しましょう。

 

具体的に、購入希望価格を裏付ける論理的な根拠となり得る要素は以下3つの事項です。

 

・周辺の類似物件における直近の成約条件

・物件購入後に必要な修繕費用

・空室率を加味した実質的な家賃収入

 

●周辺の類似物件における直近の成約条件

周辺の類似物件における直近の成約条件(成約価格・㎡単価(成約価格を当該物件の面積で割った価格)・利回り)に関するデータは最も説得力のある客観的な根拠の一つになります。

 

不動産には株価のような絶対的な取引価格がないため、過去に周辺の類似物件がどのような条件で成約したかという点が価格算定において重要視されやすいためです。

 

周辺の類似物件における直近の成約条件を参照するという方法は、国土交通省が公表している「不動産鑑定評価基準」にも、取引事例比較法や収益還元法という名称で言及されている有名な価格算定方法の一つです。

 

成約条件に関する情報は、不動産業者に問い合わせる、レインズマーケットインフォメーションというサイトを参照するといった方法で入手することができます。

 

●物件購入後に必要な修繕費用

物件購入後に必要な修繕費用とは、外壁塗装や屋上防水の塗り直し、古くなった設備(エアコン、給湯器等)の交換といった定期的に必要なメンテナンスにかかる費用のことです。

 

上記のような物件の必要修繕を買主が費用と手間をかけて行う代わりに、そのための費用を物件価格から差し引くという交渉が成立する可能性があります。

 

売主は物件を売却することで上記の必要修繕にかかる費用と手間を削減できるため、価格交渉に応じてくれる可能性は十分にあるでしょう。

 

修繕費用の算出にあたっては、賃貸住宅の修繕を行う工事業者や建築士等の専門家とともに現地を訪問し、物件をくまなく調査するのが得策です。

 

●空室率を加味した実質的な家賃収入

空室率を加味した実質的な家賃収入とは、満室時の年間家賃収入から空室率を控除して算出した家賃のことです。

 

長期的な賃貸経営において、常時満室ということは限りなく想定しにくい状況であるため、空室率を控除することでより実情に近い現実的な家賃収入を算出し、価格交渉の材料とします。

 

具体例を挙げて説明すると、満室時の年間家賃収入が100万円の物件で空室率が15%と想定すると、実質的な年間家賃収入は85万円となります。

 

空室率を加味した実質的な家賃収入を利回りで割り戻すことで、論拠をもって真に適正な価格を売主に提示することができるでしょう。

 

本交渉材料は、地方の築古アパートなど空室率の高い物件において特に有効な価格算出の根拠の一つです。

 

 

売主側のメリットも提示する

 

価格交渉は売主側にもメリットがなければ成立しにくいため、価格を下げてでも物件を売却するメリットを買主として提示することが必要です。

 

買主として提示できる売主側のメリットには、以下のようなものが挙げられます。

 

・価格がまとまれば即決する

・現金で即決済できる

・金融機関の融資内諾を得ている

 

購入意欲の高さおよび購入の確実性を担保する資力を売主に提示することで、決済直前で翻意したり、資力不足で購入ができなくなったりして破談する可能性が限りなくゼロに近い買主であるというポイントをアピールしましょう。

 

 

仲介業者にもメリットを提示する

 

日本の不動産取引では、売主と買主を仲介する不動産業者(仲介業者)が介在するのが一般的です。

 

買主の意向を売主に伝えたり、売主と直接話をしたりするのは仲介業者であることが多いため、価格交渉においては仲介業者を味方につけて積極的に動いてもらうことが重要といえます。

 

買主として提示できる仲介業者のメリットとして、仲介手数料とは別の追加報酬を支払うことが挙げられます。

 

仲介手数料と別の追加報酬とは、価格交渉の成果に対するインセンティブで、売主の提示価格から差し引くことができた価格の一部を仲介業者に還元するというものです。

 

例えば、売主の提示価格が1,000万円の物件において、価格交渉の結果、900万円で売買契約が成立した場合は、差し引くことができた100万円のうちの10%(10万円)を仲介業者に追加報酬として支払うことになります。

 

差し引くことができた価格の中から追加報酬を支払っている以上、買主が損をすることはないため、仲介業者を取り巻いて価格交渉をするための有効な手段の一つです。

 

 

金融機関の融資内諾を得ておく

 

金融機関からの融資を受けて物件を購入する場合、購入の確実性を売主にアピールするために、金融機関の融資内諾を得ておくことが有効な手段の一つです。

 

売主としては、購買力が担保された買主との取引を進める方が確実に物件を売却できる可能性が高くなるため、早期売却を望む売主に対してメリットのある交渉材料になるでしょう。

 

具体的には、5,000万円で売りに出されている物件の価格交渉において、4,500万円までの融資内諾を得ており、同金額で合意ができれば購入を即決できるという買主の事情を示すことで、500万円の価格交渉ができるかもしれないということです。

 

 

売主の売却理由、売却活動の開始時期を確認する

 

価格交渉をするにあたっては、なぜその物件を売却しようとしているのか、いつから売却活動をしているのかという売主の背景をはじめに確認しておくのが得策といえます。

 

売り急いでいるか否か、売却活動期間の長短等の売主事情によって価格交渉のしやすさが大きく変わってくるためです。

 

急にまとまった現金が必要になった等の売却理由である場合においては価格交渉がしやすい一方、単なる資産整理や高値売却等の売却理由である場合においては価格交渉がしにくいでしょう。

 

長期間売れ残っている場合には、売主が価格の妥当性に疑問を持ち始めている可能性が高いため価格交渉の余地がある一方、売りに出して間もない場合は現状の売値で様子見を続ける可能性が高いといえそうです。

 

まとめ

 

物件をいかにして安く購入するかという点は、投資のパフォーマンスを大きく左右するため不動産投資家にとって最も重要なポイントの一つです。

 

売主も物件をいかにして高値で売却するかということを考えていることが多く、価格交渉は簡単にできるものではありません。

 

価格交渉においては、価格を下げてでも物件を売ってもいいと売主に思ってもらうことが重要であるため、売主の背景を把握しつつ売主および仲介業者にメリットのある条件を上手く提示することが重要です。

 

なお、本記事における解説情報はあくまで一般論であり、個別具体的な考え方や手法は投資物件によってケースバイケースです。より詳細な情報やノウハウ等についてはお気軽にお問い合わせください。