海外投資家こそ修得すべき!日本不動産で家賃設定をする方法3選

日本の土地勘がない海外投資家の中には、日本不動産への投資において家賃設定をする方法が分からない人も多くいるでしょう。

 

初めて投資をするエリアで正しい家賃設定をする能力は、日本で不動産投資をするにあたって身につけておかなければならない重要な能力の一つです。

 

本記事では、海外投資家こそ修得すべきといえる日本不動産で家賃設定をする方法について3つ解説します。

 

 

【目次】

 

1-海外投資家こそ修得すべき!日本不動産で家賃設定をする方法3選

┗1-1所有物件の過去の成約条件を読む

┗1-2競合物件の条件と比較する

┗1-3エリア全体の家賃トレンドを俯瞰する

2-日本不動産への投資で家賃設定力が求められる3つの場面

┗2-1物件購入時

┗2-2新規入居者の募集開始時

┗2-3既存入居者との契約更新時

3-まとめ

 

海外投資家こそ修得すべき!日本不動産で家賃設定をする方法3選

 

海外投資家こそ修得すべきといえる日本不動産で家賃設定をする方法3選は以下の通りです。自分の所有物件のみならず、周辺の競合物件およびエリア全体に至るまでの絞った視点と拡げた視点を組み合わせて妥当な家賃を設定しましょう。

 

■所有物件の過去の成約条件を読む

■競合物件の条件と比較する

■エリア全体の家賃トレンドを俯瞰する

 

 

 

所有物件の過去の成約条件を読む

 

自分の所有物件がこれまでにいくらの家賃で成約してきたのかを確認しましょう。

 

所有物件の過去の成約条件を確認することで、その物件における家賃のトレンド(上昇・下落・横ばい)を把握できるとともに、おおよそいくらくらいの家賃が適正水準かという仮説を立てることができます。

 

過去の成約条件を確認する際は、以下3つのような方法が効果的です。

 

・「レントロール」を遡って参照する

※「レントロール」とは、その部屋の契約条件(家賃・敷金・礼金・契約日・契約期間等)や入居者属性(名前・勤務先・年収等)がまとめられたデータのこと。

・賃貸管理会社に確認する

・売主に確認する

 

所有物件の過去の成約条件は家賃設定をするうえでの大きな基準または出発点になるため、重要な確認事項といえます。

 

 

 

競合物件の条件と比較する

 

競合物件とは、自分の所有物件と同エリア内で駅徒歩・面積・築年数・設備といった条件が類似しており、入居を検討するお客様の比較対象になりやすい物件のことです。

 

最も条件が近い競合物件として、区分マンション・一棟物件ともに同じ棟内で同じ間取りの他住戸が重要な参考データになるでしょう。

 

競合物件との条件比較をする際は、以下2つの項目で比較をするのが効果的です。

 

・現在の募集条件

・過去の成約条件

 

上記2点を確認することで、競合物件の家賃の動向を把握できるとともに自分の所有物件における家賃が相対的に割高か割安かを測ることができます。

 

例えば、空室の募集を開始する際に自分の所有物件における過去の成約条件が家賃10万円前後であるのに対し、競合物件の現在の募集条件および過去の成約条件が家賃11万円前後であったとします。

 

本例のような場合においては、自分の所有物件のこれまでの家賃が割安であったという仮説を立てることができ、家賃を1万円前後上げられるチャンスがあるということです。

 

部屋を借りるお客様の目線に立って、いくらの家賃なら数ある競合物件との比較の中で自分の所有物件を選んでくれるかという視点を持ちましょう。

 

 

 

エリア全体の家賃トレンドを俯瞰する

 

人口流入や再開発が進んでいるエリアでは、賃貸需要が活発になりエリア全体の家賃が上昇トレンドになることがあります。逆に人口流出が進んでいるエリアでは、賃貸需要が衰退してエリア全体の家賃が下落トレンドになることもあります。

 

エリア全体の家賃トレンドが上昇ならば、流れに乗って自分の所有物件の家賃も上げられる可能性があるでしょう。

 

エリア全体の家賃トレンドを測る方法の一つとして、アットホームという不動産情報サイトでエリアごとの家賃相場を参照するという方法があります。本サービスを使うことで、日本全国の地域や駅単位(東京都港区、新宿駅等)で間取り別の家賃相場とその推移を確認することができます。エリア全体の家賃トレンドを俯瞰的に測るために本サービスを活用するのも選択肢の一つです。

 

 

日本不動産への投資で家賃設定力が求められる3つの場面

 

日本不動産に投資するうえで、家賃設定力が求められるのは場面3つです。

 

■物件購入時

■新規入居者の募集開始時

■既存入居者との契約更新時

 

 

物件購入時

 

物件購入時の家賃設定力は、その物件の現行家賃(購入時点で居住している入居者の家賃)および想定家賃(空室住戸に付くと予想される家賃)が妥当か否かを判断するための能力です。

 

現行家賃および想定家賃が妥当な水準よりも高いと、以下2つのリスクが懸念されます。

 

・既存入居者の退去後に家賃が下がるリスク

・適正価格より高値で物件を購入するリスク

※妥当な水準よりも高い家賃をベースに物件価格が算定されている場合があるため

 

現行家賃および想定家賃が妥当な水準よりも低いと、以下2つのリスクが懸念されます。

 

・安いままの家賃で契約が続くリスク

※貸主からの家賃値上げ要請に強制力はなく、借主は応じる必要がないため

・適正価格より安値でしか物件を売却できなくなるリスク

※低い家賃に対して適正価格を付けると利回りが低くなることから、価格を下げなければ買い手が見つからないおそれがあるため

 

適正な価格で物件を購入するために、正しく家賃設定をする能力が求められるということです。

 

 

新規入居者の募集開始時

 

新規入居者の募集開始時における家賃設定力は、空室住戸に新しい入居者を見つける際に、物件の収益性を保ちつつ空室期間を最短化させるための能力です。

 

空室住戸の入居者を募集する際は、家賃が適正水準よりも高いと空室期間が長くなりやすく、安いと物件の収益性が下がるため、高すぎず安すぎない妥当な家賃を見極める必要があります。

 

収益性の最大化と空室リスクの最小化という両軸のバランスが取れた募集戦略を立案するために、正しく家賃設定をする能力が求められるということです。

 

 

既存入居者との契約更新時

 

既存入居者との契約更新時における家賃設定力は、既存入居者からの家賃減額交渉およびオーナーからの家賃増額交渉を有利かつ適正に行うための能力です。

 

日本の賃貸住宅においては賃貸借契約の期間が2年間とされていることが多く、契約期間が満了する度に入居者とオーナーとの間で契約更新が行われます。

 

契約更新においては家賃の増減交渉がされることもあるため、オーナーとして入居者と交渉をする際に明確な根拠を提示したうえで、入居者からの家賃減額交渉を断ったり、オーナーからの家賃増額交渉を提案したりする必要があります。

 

競合物件の条件(現在の募集条件および過去の成約条件)や周辺の家賃トレンドを踏まえて、常に家賃を適正な金額にアップデートしていくために、正しく家賃設定をする能力が求められるということです。

 

 

まとめ

 

日本の不動産投資においては家賃設定力が求められる場面が多くあるため、その度に自分の所有物件の成約条件を基準として競合物件やエリア全体との比較をすることで、適切な家賃を算定する能力が必要になります。

 

物件の収益性を保ちつつ既存入居者および新規入居者に納得して住み続けてもらえる家賃設定を心がけましょう。

 

なお、本記事における解説情報はあくまで一般論であり、個別具体的な考え方や手法は投資物件によってケースバイケースです。より詳細な情報やノウハウ等についてはお気軽にお問い合わせください。