【海外不動産投資 マレーシア編 Part①】 マレーシアの魅力とメリット・デメリットを解説

日本人の移住希望先ランキングにおいて、14年連続で1位獲得という偉業を成し遂げた国をご存じでしょうか。それが、マレーシアです。日本人から圧倒的な人気を誇るマレーシアですが、どういった点に魅力があるのでしょうか。

2000 2006 2017 2018 2019
1 オーストラリア マレーシア マレーシア マレーシア マレーシア
2 ハワイ オーストラリア タイ タイ タイ
3 ニュージーランド タイ ハワイ ハワイ ハワイ

※ロングステイ財団調べ『ロングステイ希望国・地域2019』より   今回はPart1・Part2の二部構成です。Part1である本記事では、マレーシアでの不動産投資や将来的な移住を検討している方へ向けて、マレーシアとはどんな国であるのか、その魅力やメリットを解説していきます。また、記事の後半ではデメリットもお伝えします。最後まで一言一句逃さず熟読することで、メリット・デメリット両方の観点からマレーシアという国を知ることができます。  

マレーシアってどんな国?首都のクアラルンプールに注目

  マレーシアと聞いて、どのような特徴を思い浮かべるでしょうか。 ・日本からは直行便で約7時間 ・日本との時差は1時間 ・英語が通じる ・多民族国家で寛容的 ・常夏の国   これらは、よく耳にすることの多いマレーシアの特徴ではないでしょうか。   また、冒頭でもお伝えしたとおり、日本人からも馴染み深い国です。これは1980年代にマレーシアでおこなわれた「ルック・イースト政策」による影響が大きいです。   「ルック・イースト政策」とは、戦後急速な経済発展を遂げた日本から技術や教育を学ぶ目的で打ち出された政策で、これがきっかけで多くのマレーシア人と日本人がそれぞれの国を行き来することになりました。   しかし今回、特筆してお伝えしたい特徴が、首都のクアラルンプールについてです。クアラルンプールはマレー半島南部に位置しており、一般的に「KL」と略されます。   実は今、このクアラルンプールが注目を集めています。これまで、東南アジアではシンガポールを拠点に活動する方が多かったかと思います。ところが、最近では企業や生活の拠点をマレーシア、とくにクアラルンプールに移す方が増えているのです。具体的には、海外事業を推進するにあたっての統括拠点であったり、セカンドハウスの保有・リタイア若しくはセミリタイア先としてマレーシアが選ばれています。これには物価の安さなどさまざまな理由が考えられます。しかし、シンガポールはとにかく人も企業も密集しており、溢れ返っているというのが実情です。   人口密度の高い国

順位 国名 人/平方キロメートル(2020年)
1 モナコ 19,075
2 シンガポール 7,810
3 バーレーン 1,891

総務省統計局「世界の統計2022」より   だからこそ、マレーシア、特にクアラルンプールが拠点として多くの関心を集めており、シンガポールをも上回るほどの魅力があることを、このような現象が裏付けているのではないでしょうか。  

マレーシアを選ぶメリット

  東南アジア諸国の中でも、マレーシアを選ぶことにはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは3つのメリットをご紹介します。    

■生活費が安い

  マレーシアの一番のメリットといえば、物価の安さにより生活費を抑えることができる点です。もちろんそのときの経済状況や地域、生活水準によっても左右されますが、一般的にマレーシアの物価は日本の1/2~1/3程度と言われています。このような生活費の安さに付随して、特に現役世代や子育て世代が注目すべきことが、インターナショナルスクールの費用です。東京都内のインターナショナルスクールは年間で数百万円かかることも珍しくありませんが、マレーシアでは物価が安いこともあり、比較的安価な学費に抑えることができます。なかには、お子様をインターナショナルスクールに通わせるために、マレーシアへ移住している方もいるくらいです。たしかに、昨今のグローバル化によって英語力の需要が高まっていることを考慮すると、有効であるといえるでしょう。  

■今後も人口増加が見込める

 

※「世界経済のネタ帳」より

  不動産投資先を選定するうえで、もっとも重要なポイントの一つが人口増加率です。日本においては、深刻な少子高齢化や人口減少が始まっており、今後国内のマーケットは縮小していくことが予想されます。一方、マレーシアの人口は最新の2021年まで増加傾向にあります。 人口が増え続ければ、その分不動産の売買や賃貸需要の増加に繋がります。よく懸念される空室リスクについても、このような人口増加が顕著なエリアを選定することによって軽減することが可能です。マレーシアは人口増加によるマーケット拡大、経済成長率の更なる向上が期待されます。

2019年 2020年 2021年
実質GDP成長率 4.4(%) △5.6(%) 3.1(%)

※マレーシア統計局のデータを参照    

■融資で優遇される

  実際に海外で不動産投資を始めようと思っても、日本国内の金融機関から融資を受けたり、日本人が現地の銀行で融資を受けることはとても困難です。しかし、マレーシアでは外国人でも融資を受けることのできる体制が整っており、MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)というビザを取得していれば、有利な条件でお金を借りられる可能性があります。MM2Hは2021年10月より申請条件が変更となっているため、取得を検討されている方は必ず内容を確認しましょう。このように外国人オーナーに対しても、遜色無く法律による保護や優遇制度がある点は大きなメリットです。    

マレーシアを選ぶデメリット

  欠点の無い完全な国などありません。マレーシアを選ぶことには2つのデメリットがあります。    

■宗教による影響が大きい

  マレーシアは多民族国家ではありますが、国教はイスラム教です。日本人には馴染みのない宗教ですので、注意点や禁止事項は認識しておく必要があります。なかでも気をつけておきたいのが「ハラル」です。ハラルとはイスラム教徒の人が食べることを許されている食品のことを指します。一方、「イスラム教徒の人は豚肉を食べてはいけない」と耳にしたことのある方は多いと思いますが、これは食べることを許されていない食品で「ノンハラル」と呼ばれます。マレーシアでは、ハラル認証といってその商品やサービスがイスラム法に則っているか否かの調査が行われます。特にビジネスマンにとっては、このハラル認証獲得に苦労することが多いです。その他にも、ラマダンという断食や1日5回のお祈りなど、生活のしづらさを感じてしまう方は多いでしょう。  

宗教 イスラム教 仏教 キリスト教 ヒンドゥー教 その他
割合 61.3% 19.8% 9.2% 6.3% 3.4%

※2010年のマレーシア統計局のデータを参照   しかし、首都のクアラルンプールにおいては少々状況が異なります。クアラルンプール中心地には華僑が多く、彼らの宗教は仏教です。従って、本エリアであれば前述のイスラム教による影響を最小限にとどめることができます。日本人がビジネスや生活の拠点にするならば、クアラルンプール中心地を選択することをおすすめします。   マレーシア民族割合

民族 マレー系 中国系 インド系 その他
割合 69.6% 22.6% 6.8% 1%

※2020年のマレーシア統計局のデータを参照    

■一部の製品やサービスが高額である

  物価が安いことがマレーシアのメリットであるとお伝えしましたが、一部の製品やサービスに例外があります。一つの例がお酒で、日本の2~3倍の値段になります。マレーシアはイスラム国家であり、イスラム教徒はノンハラルとして飲酒を禁止しています。そのため酒類には高い税金がかけられており、アルコール度数が高くなればなるほど税率が高くなるという仕組みを導入しています。他には、医療費です。医療技術は日本と比較しても遜色ないほど高く、特にクアラルンプールにある病院の多くは、世界的に見ても高水準の医療レベルであるとされています。しかし、医療費は高額であり、私立病院で治療を受けると全額自己負担となります。日本人も加入できる民間の医療保険がありますので、現地に滞在する際は必ず加入するようにしましょう。    

まとめ

  シンガポールが飽和状態に近付いていることもあり、マレーシアがビジネスや生活の拠点としてかなり注目を集めています。イスラム教国家であることや、一部のサービスが高額であるというデメリットもありますが、それを凌ぐほどの魅力があるのがマレーシアの首都クアラルンプールです。   実は、このPart1を読んだだけでは内容が不十分であり、現段階で不動産投資や移住を決断することは危険です。   Part2では、より不動産に特化した内容で、マレーシアにおける具体的なおすすめ物件もご紹介します。「クアラルンプール史上、最後にして最大のプロジェクト」との呼び声も高い物件です。よくある東南アジアのプレビルド物件とは一線を画します。この機会を逃して損をしないためにも、ぜひ次回のPart2もご覧ください。    

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