為替相場で円安が進行しています。2022年3月28日には1ドルが125.1円を超え、2015年以来の円安を記録しました。
※ドル円の10年間の値動き(SBI証券より)
海外株式や海外不動産など、グローバルな視点で投資を考える方々にとって、為替相場のトレンドや、円安が進むと自分の資産にどのような影響があるのかといった点は大きな関心ごとでしょう。
本記事では、為替相場の現状および展望を述べたうえで、円安が進行する相場において資産を守るために海外不動産投資をすべき3つの理由を解説します。
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2021年初頭から進行している為替相場の円安について、以下5つのトピックで解説します。
■FRBが3年ぶり利上げへ!円安に拍車の可能性も
■日本の政策も円安阻止には動かない?
■ロシアのウクライナ侵攻も円安要因の一つ
■ユーロ円の為替レート
■ポンド円の為替レート
コロナ禍で世界的に進んだ金融緩和の流れが一服し、アメリカを筆頭に金融引き締めにシフトしつつあります。
実際にアメリカの中央銀行であるFRB(日本でいう日本銀行)は、2021年3月に3年ぶりとなる利上げに着手しました。
金融緩和を続ける日本とアメリカの金融政策の差が意識され、今後もさらなる円安が進行する可能性があるでしょう。
日本銀行(日銀)の黒田総裁は緩和的な政策を堅持する旨の発言を記者会見でしていることから、日本では金融緩和の継続および円安容認の姿勢が当面は続くでしょう。
金融緩和の継続によって日本と世界各国の金融政策の差がさらに大きくなると、円安相場は継続するということも考えられます。
ロシアのウクライナ侵攻を契機に原油などの資源価格が上昇しています。原油をはじめとする資源の多くを海外からの輸入に依存している日本では経常赤字が増加し、それが円安を招いているという見方もあります。
ウクライナ危機が一服し、原油価格の高騰が落ち着かない限りは、さらなる円安も想定されるでしょう。
ドルと並んで、世界の基軸通貨の一つであるユーロの対円の値動きを見てみましょう。
※ユーロ円の10年間の値動き(SBI証券より)
ドルと同様に円安が進行していることがわかります。
ドル、ユーロに次いで世界第3位の流通量のポンドの対円の値動きを見てみましょう。
※ポンド円の10年間の値動き(SBI証券より)
ドル・ユーロと同様に円安が進行していることがわかります。
円安が進行するマーケットにおいては、資産にどのような影響があり、資産を防衛するにはどうすればいいのでしょうか?円安マーケットにおいて資産を守る方法を2つ解説します。
■円安が進行すると日本の資産価値が目減りする
■方法①外貨建ての資産に投資する
■方法②現物資産に投資する
円安が進行すると、日本の資産(日本株、国内不動産、日本円等)の価値が相対的に目減りします。
円安進行と資産の目減りについて、具体的な数字を用いて例説しましょう。
1億円分の国内資産を保有しており、年間収益600万円(利回り6%)の場合、為替レートの変動によって以下の表のように資産価値が目減りしてしまいます。
為替レート | 日本円での資産価値 (資産額・年間収益額) | ドルでの資産価値 (資産額・年間収益額) |
---|---|---|
1ドル100円 | 1億円・600万円 | 100万ドル・6万ドル |
1ドル120円 | 83.3万ドル・5万ドル |
同じ金額の資産を同じ利回りで運用できているとしても、為替の変動によって上掲の例だと資産額・年間収益額ともに約17%も下落してしまうのです。
円安の進行によって影響を受けるのは、資産家や富裕層だけではありません。投資をしていない一般的な家庭の経済事情にも円安による影響は及ぶ可能性は十分にあります。
円安の進行によって日本企業の輸入コストが増加し、それに追随してあらゆる物品の販売価格が上がることもあり得るためです。日本は資源国ではないため、輸入コストが増加すると製造コストが増加し、企業が採算を取るために販売価格を上げるのです。
1ドルは今後130円以上になる可能性もあります。円安に起因するインフレが進行する事態に備えて、早いうちからできる対策を講じておくことが重要でしょう。
円安の進行に備えて、ドルやユーロ、ポンドなどの外貨建ての資産に投資するのが資産を守る方法の一つです。
円安進行時における外貨建て資産への投資のメリットを上掲の例で説明すると以下の表のようになります。
為替レート | ドルでの資産価値 (資産額・年間収益額) | 日本円での資産価値 (資産額・年間収益額) |
---|---|---|
1ドル100円 | 100万ドル・6万ドル | 1億円・600万円 |
1ドル120円 | 1.2億円・720万円 |
同じ金額の資産を同じ利回りで運用していたとしても、為替の変動によって資産額・年間収益額ともに20%も上昇します。
円安(通貨安)の進行に備えて、金や不動産などの現物資産に投資するのが資産を守る方法の一つです。
円が下がる、すなわち通貨の価値が下がるということは物の価格が相対的に上がるということであるため、現物資産への投資は円安(通貨安)に備えた資産防衛の方法といえます。
実際に現物資産である金の価格は、円安の進行とともに上昇しています。
※金の値動き(円ベース)
円安が進行する今こそ海外不動産投資をすべき理由は以下の3つです。
■外貨建て資産に投資ができる
■現物資産に投資ができる
■国内不動産は高止まりしている
外貨かつ現物で資産を持つことができ、家賃収入という新たな外貨収入を生み続けるという点が、円安進行時における海外不動産投資の大きな強みの一つです。
海外不動産に投資においては、物件の購入および売却や家賃等の受け取り等は原則的に全て現地通貨で行うことになります。
ドルやユーロ、ポンド等の外貨で不動産という資産を持ち、外貨で家賃収入を受け取ることができるため、円安進行へのリスクヘッジができるということです。
不動産は金と同じ現物資産の一つであるため、円安(通貨安)に強い資産であるといえます。
円安(通貨安)が進行する中でも、現物資産である不動産は底堅く価値を維持できることが見込めるでしょう。
不動産投資の中でも国内よりも海外を推奨する理由は、国内不動産は高止まりしているためです。
2021年には首都圏の新築マンションの平均価格がバブル期を超えて過去最高を更新するなど、東京都内のマンション価格が歴史的な高値圏にあるといえます。
高止まりしている国内不動産に割高な価格で投資するよりは、今後の経済成長や価格上昇が見込める海外不動産に投資する方が合理的であるといえるでしょう。
世界各国の金融政策や紛争危機等の情勢から、日本円の価値は下落を続けています。
円安が続くと、国内資産の価値が目減り、海外渡航時のコスト上昇、インフレの進行といったリスクがあります。
円安が進行すると国内企業の輸入コストが増加して企業の収支が悪化することから、株安にも繋がる可能性があります。インフレと株安が同時に起こると、経済悪化により給与が上がらない一方で物価が上がるというスタグフレーション状態になるかもしれません。そのような事態に発展すると、資産家や富裕層のみならず一般的な家庭にも経済的なダメージがあるといえます。
分散によるリスクヘッジという観点からも、外貨で現物資産を持つことができ、外貨で収入を得ることができる海外不動産への投資を検討してみるといいでしょう。弊社アイ・インターナショナルでは、お客様のニーズに合わせた幅広い海外不動産の投資プランをご用意しております。ぜひ一度ご相談ください。
なお、本記事における解説情報はあくまで一般論であり、個別具体的な考え方や手法は投資物件によってケースバイケースです。より詳細な情報やノウハウ等については、お気軽にお問い合わせください。