海外不動産投資初級編③初心者が知っておくべき海外不動産投資のリスク6つ

海外不動産投資に関する情報を収集する中で、以下のような疑問を持つことはないでしょうか?

 

・初心者には海外不動産投資のハードルが高いのでは?

・海外不動産投資をする理由やメリットは?

・海外不動産投資にはどんなリスクがあるの?

 

日本人が海外不動産を購入・運用・売却するというのはリスクが高く難しいと考えられることも多いですが、近年では海外不動産投資に精通した不動産会社や金融機関が増えてきています。

 

初心者でも日本にいながら世界中の不動産に投資をすることができるため、リスクの分散とポートフォリオの拡充を図るために海外不動産投資を検討するのも合理的な選択といえます。

 

本記事は「海外不動産投資初級編」の記事群の3本目です。全6本の記事をお読みいただくことで、初心者が抱える海外不動産投資をするうえでの疑問や不安を解消することができるでしょう。

 

初心者でも海外不動産投資はできるということをご理解いただき、資産形成に役立てていただければ幸いです。

 

 

初心者が知っておくべき海外不動産投資のリスク6つ

 

初心者が海外不動産投資をするうえで知っておくべきリスクは以下の6つです。

 

■カントリーリスク

■為替リスク

■自然災害リスク

■施工品質リスク

■管理リスク

■送金リスク

 

いずれのリスク要因についても、正しく理解し準備と対策を前もって講じておけば過度に恐れる必要はないといえます。

 

どの投資においてもリスクはつきものであるため、重要なことは海外不動産投資のリスクの内容、その原因と回避策を事前に把握しておくということです。

 

 

カントリーリスク

 

カントリーリスクとは、投資先のエリアにおいて政治や経済の状況変化によって証券市場や為替市場、不動産市場に混乱が生じ、そのエリアに投資した資産の価値が変動する可能性のことです。

 

不動産投資におけるカントリーリスクとは、物件を保有しているエリアで経済ショックや政変が起きて不動産価格が暴落したり不動産取引市場が動かなくなったりすることや、海外投資家の受け入れが厳しくなることなどが挙げられます。

 

シンガポールのように外国人が不動産を取得する場合には一定の制限があったり高い税率がかけられたりするエリアもあるため、海外投資家が長期的に安心して不動産投資ができるエリアをリサーチすることが重要です。

 

 

為替リスク

 

為替リスクとは、為替レートの変動によって外貨の価値が変動するリスクのことです。

 

日本の金融機関で融資を受ける場合、融資および返済は日本円で行われます。一方で物件購入時の支払いおよび家賃収入の授受は外貨で行われるため、物件購入時および返済時に外貨と日本円を両替しなければいけません。

 

日本の金融機関から融資を受ける方法については、「海外不動産投資でローンを組む方法5選!①現金一括で購入または現金を担保に融資を受ける」「海外不動産投資でローンを組む方法5選!②株や債券を担保にする」「海外不動産投資でローンを組む方法5選!③国内不動産を担保にする」「海外不動産投資でローンを組む方法5選!④海外不動産を担保にする(国内金融機関編)」をご参照ください。

 

両替の際に円高が進行していると外貨の対円価値が目減りしてしまうため、調達した資金で不動産を購入できなくなったり家賃収入の中から返済ができなくなったりするリスクがあります。

 

為替リスクをヘッジするために、海外不動産からの家賃収入以外の資金(日本円で得られる国内不動産からの家賃収入や給与収入等)で返済を行うというのも選択肢の一つです。

 

海外の金融機関から融資を受ける場合は融資も返済も外貨で行うことになるため、為替リスクをヘッジすることができます。海外の金融機関から融資を受ける方法については、「海外不動産投資でローンを組む方法5選!⑤海外不動産を担保にする(海外金融機関編)」をご参照ください。

 

 

自然災害リスク

 

自然災害リスクとは、地震や台風およびそれらに付随する二次災害といった自然災害に起因するリスクのことです。

 

不動産投資をするうえでチェックしておく必要がある自然災害リスクには、年間降水量や気温といった気候に関する要素、台風や地震の頻度および規模といった災害に関する要素が挙げられます。

 

豪雨(雪)や地震、台風等によって建物が倒壊したり水没したりするリスクがあるため、投資先エリアの気候および災害リスクは入念にチェックしておきましょう。

 

 

施工品質リスク

 

施工品質リスクとは、建物の施工に問題があり、雨漏りや傾き等の不具合が発生するリスクのことです。

 

海外では建築に関して必ずしも日本のように厳しい基準や検査等があるとは限らないため、デベロッパーまたは建設会社の施工品質にばらつきがある可能性があります。

 

施工品質に問題があると引き渡し後にトラブルが頻発し、修繕のための時間と手間、場合によってはコストがかかるリスクがあるため、その会社の過去の施工実績を調べる、引き渡し直後にインスペクションを行うといった対策を講じるのが適切でしょう。

 

 

管理リスク

 

管理リスクとは、建物および設備の日常的なメンテナンスや鍵の管理、入居者対応といった購入後の物件管理において生じ得るリスクのことです。具体的なリスクとしては、管理を任せられる委託先が見つからない、管理会社のサービス品質が低いといったことが挙げられます。特に現地の管理会社に物件管理を委託する場合、商慣習の違いや時差、言語障壁等の問題があるため物件管理がスムーズにできないかもしれません。

 

日本に居住しながら海外不動産投資を行う場合、距離的な問題があるため物件管理の大部分を管理会社に委託して遠隔操作することになるでしょう。管理の質は賃貸経営のパフォーマンスを左右する重要な要素であるため、安心して管理を任せられる管理会社を選定する必要があります。

 

 

送金リスク

 

送金リスクとは、海外不動産投資で得た資金(家賃収入や売却益等)を日本に送金する際に生じ得るリスクのことです。

 

海外不動産投資における家賃収入や売却益等は原則として外貨(ドルやユーロなどのその国の通貨)での現地受取になるため、それを日本で使うには現地から日本に送金する必要があります。

 

しかし、一部のエリアでは自国通貨の海外送金に一定の規制をしているところがあるため注意が必要です。例えば、ベトナムでは送金の裏付けとなる資料(契約書や請求書等)を提出して金融機関のチェックを受けなければ海外送金ができないとされています。

 

収益が発生しても現地の規制により日本への送金ができなければ、投資の資金効率が大幅に下がってしまうリスクがあるため、そのエリアにおける海外送金の規制について入念に確認しておきましょう。

 

 

まとめ

 

海外不動産投資にも他の投資と同様にリスクがありますが、いずれも事前の調査と準備でリスクヘッジをしたりリスク顕在化時のダメージを軽減したりすることができるため、リスクを過度に恐れる必要はありません。

 

不可避であることが予め分かっているリスクであれば回避する、起きるかもしれないが事前準備によって発生時のダメージを軽減することができるリスクであればコストをかけてでも準備をするという姿勢が投資家には求められます。

 

リスクとリターンとのバランスを計算しながら、適切な範囲で正しくリスクを取ることができる投資家になりましょう。

 

ご自身の資産状況や投資の目的、取れるリスクの大きさ等を勘案して、どのような方法で資産形成をするのが最も合理的かをプロの意見も聞きながら客観的に判断するのが、海外不動産投資を成功に導く近道になるかもしれません。

 

なお、本記事における解説情報はあくまで一般論であり、個別具体的な考え方や手法は投資物件によってケースバイケースです。より詳細な情報やノウハウ等については、お気軽にお問い合わせください。

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