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日本で不動産投資をする際に、日本の金融機関からの融資を受けることを考える投資家は多くいるでしょう。
初めて日本の金融機関を利用する海外投資家は、以下のような日本の融資事情について詳しく知らないのではないでしょうか。
・日本で海外投資家が融資を受けられるのか
・融資条件(金利、融資期間)の相場はどうか
・自己資金がどのくらい必要か
本記事では、海外投資家が日本の金融機関で融資を受けるにあたり、事前に確認しておくべき重要なポイントを4つ解説します。
index
1-日本の金融機関で融資を受ける際にチェックすべきポイント4つ
┗1-1海外投資家向けの不動産投資ローンを扱っているか
┗1-2金利
┗1-3融資期間
┗1-4自己資金
2-融資条件はキャッシュフローに大きく響く
3-まとめ
日本の金融機関で融資を受ける際にチェックすべきポイントは以下の4つです。
■海外投資家向けの不動産投資ローンを扱っているか
■金利
■融資期間
■自己資金
日本においては全ての金融機関が海外投資家に融資をしているわけではないため、まずは海外投資家に対して融資をしている金融機関および海外投資家が融資を受けるために必要な条件を抽出することから始めましょう。
2021年7月時点で、海外投資家に対して不動産投資ローンを提供している日本の金融機関には以下のような銀行等が挙げられます(一部のみ列挙)。
・新生インベストメント&ファイナンス株式会社
※香港特別行政区政府または日本国発行の旅券を持っており、香港に居住している人が対象
・プレスティア(SMBC信託銀行)
・オリックス銀行
いずれの金融機関においても、融資を受けるための要件には海外投資家特有のもの(居住地、永住許可の有無等)があるため、年収や年齢等に関する要件に加えて事前に確認しておきましょう。
日本では2016年からマイナス金利政策が行われており、金融機関は個人や企業への融資を積極的に行う必要に迫られているため、2021年7月時点においても低金利で融資を受けやすい市況が続いています。
日本の融資における金利には大きく分けて以下の2種類があり、それぞれメリットとデメリットがあるため、自分の投資方針に基づいてどちらを選択するか判断しましょう。
・固定金利
・変動金利
●固定金利
固定金利とは、返済完了までの全期間において変動がない金利のことで、同一の金利が適用され続けます(「全期間固定型」)。
全期間固定型の固定金利における金利は、変動金利における金利よりもやや高く設定されているというデメリットはありますが、低金利時代が続いている日本の状況に鑑みれば、低い金利で固定されるというのは大きなメリットになり得るでしょう。
金利上昇による収支悪化リスクを回避することができるため、長期的なキャッシュフロープランを立てやすいのが全期間固定型の固定金利です。
なお、固定金利には「期間選択型」という、5年・10年・15年などの一定期間においてのみ金利を固定させるタイプもあり、同タイプにおいては一定期間ごとに金利が変動する可能性があります。
●変動金利
変動金利とは、半年に1回のペースで金利の見直しが行われ、その結果を受けて5年に1回のペースで返済額の見直しが行われる金利のことです。
変動金利においては金利の見直しが半年ごとに行われますが、原則として金利が上昇した場合でも5年間は返済額が変動しません(本制度は「5年ルール」とも呼ばれます)。
経済状況の変化によって金利が上昇するリスクがあるというデメリットがある一方で、一般的に固定金利等の他の種類に比べて適用金利が低いケースが多く、支払利息および総返済額を抑えやすいというメリットがあるのが変動金利です。
日本の不動産投資における融資期間は、最短で1年、最長で25年ないし35年であることが多くなっています。
融資期間の長短のメリット・デメリットは以下の表の通りです。
メリット | デメリット | |
融資期間が長い | ・余裕のある資金計画を立てられる ・キャッシュフローを高めやすい | ・物件規模の拡大が遅くなる可能性がある ・支払金利および総返済額が高くなる |
融資期間が短い | ・完済までの期間を短縮できる ・支払金利および総返済額を抑えられる | ・毎月の返済額が高くなる ・キャッシュフローを高めにくい |
短期間で完済して純資産の拡大を進めるか、長期間のローンを組んでキャッシュフローを高めるかのいずれを選択するかによって、融資期間を何年とするかという決定が大きく分かれるでしょう。
自己資金とは、物件を購入するにあたり、初期費用として投資家自身が拠出する資金のことです。具体的には、物件価格および諸費用の合計額と金融機関からの融資額との差額が自己資金に該当します。
求められる自己資金は個人の属性(職業、年収、金融資産等)によって異なり、自己資金ゼロで物件を購入できる場合(オーバーローン)もありますが、一般的な目安としては物件価格の15%ないし40%を求められることが多いでしょう。
自己資金は以下2種類の内訳で構成されています。
・頭金
・諸費用
●頭金
頭金とは、物件価格のうち金融機関からの融資額を差し引いた金額のことで、一般的には物件価格の10~30%が目安です(個人の属性によって異なります)。
例外として、個人の属性が高いなどの理由から物件価格の満額融資を受けられる場合には頭金がゼロになることもあり得ます(フルローン)。
5,000万円の物件を購入する場合、頭金として一般的に求められるのはおおよそ500〜1,500万円程度になるということです。
●諸費用
諸費用とは、物件購入にあたり必要になる各種費用のことで、具体的には以下のような項目に係る費用が挙げられます。
・不動産会社(仲介業者)への仲介手数料
※売主から直接購入する場合には発生しない
・司法書士報酬
・税金(印紙税、登録免許税、不動産所得税等)
・損害保険料(火災保険料、地震保険料および特約)
・融資を受ける際の事務手数料など
求められる諸費用は、物件を売主から直接購入するか、仲介業者を介して購入するかによって分かれます。
前者の場合は仲介業者への手数料(物件価格が400万円超の場合、物件価格の3%+6万円)が発生しないため物件価格の4~7%が目安ですが、後者においては同手数料が発生するため物件価格の7~10%が目安です。
5,000万円の物件を購入する場合、頭金として一般的に求められるのはおおよそ200〜500万円程度になります。
融資条件には金利・融資期間・自己資金という重要な要素があり、これらによって毎月の返済額およびキャッシュフローが大きく変動します。
5,000万円の融資を受ける場合において、金利および融資期間の組み合わせパターンで毎月の返済額をシミュレーションすると以下の表のようになります。
<毎月の返済額>
1% | 2% | 3% | |
10年 | ¥438,020 | ¥460,067 | ¥482,803 |
20年 | ¥229,947 | ¥252,941 | ¥277,298 |
35年 | ¥141,142 | ¥165,631 | ¥192,425 |
さらに、本物件の年間家賃収入が500万円であると仮定すると毎月のキャッシュフローは以下の表のようになります(空室率や賃貸経営上の諸経費は考慮せず)。
<毎月のキャッシュフロー>
1% | 2% | 3% | |
10年 | -¥21,353 | -¥43,400 | -¥66,136 |
20年 | ¥186,720 | ¥163,726 | ¥139,369 |
35年 | ¥275,525 | ¥251,036 | ¥224,242 |
融資条件は収支状況に大きな影響を及ぼす要素であるため、金融機関を比較検討する際は金利・融資期間・自己資金を基にシミュレーションを行いましょう。
金融機関からの融資が前提となる不動産投資においては、日本の金融機関がどのような条件で融資をしているのかを事前に把握しておくことが非常に重要といえます。
海外投資家への融資姿勢を第一に確認し、当該融資における金利・融資期間・自己資金と自分の投資方針を照らし合わせることで、自分に最適な金融機関および条件で融資を受けることを心がけましょう。
なお、本記事における解説情報はあくまで一般論であり、個別具体的な考え方や手法は投資物件によってケースバイケースです。より詳細な情報やノウハウ等についてはお気軽にお問い合わせください。