実際に日本不動産への投資をする際、具体的にどのような流れで購入・運営・売却が進んでいくのでしょうか。
各フェーズにおいて、海外での不動産投資と同様な点、日本特有の点があるかもしれません。
本記事では、日本不動産を購入して運営し、最終的に売却をするまでの一連の流れを細分化して解説します。
index
1-日本不動産を購入するまでの流れ
┗1-1不動産業者にコンタクトを取る
┗1-2投資物件の情報をもらう・精査する
┗1-3物件視察をする
┗1-4売主に買付証明書を入れる
┗1-5取引価格の合意をする
┗1-6金融機関への融資打診をする
┗1-7売買契約締結・決済・引き渡し
2-日本不動産の運営の流れ
┗2-1管理委託契約を締結する
┗2-2毎月の収支状況を確認する
┗2-3突発的なイベントへの対応
3-日本不動産を売却するまでの流れ
┗3-1不動産業者にコンタクトを取る
┗3-2取引価格の合意をする
┗3-3売買契約締結・決済
4-情報収集・拡散はプロに任せるのが得策
5-まとめ
日本不動産を購入する際、順序が多少前後する可能性はありますが、概ね以下のような流れで手続きが進んでいきます。
■不動産業者にコンタクトを取る
■投資物件の情報をもらう・精査する
■物件視察をする
■売主に買付証明書を入れる
■取引価格の合意をする
■金融機関への融資打診をする
■売買契約締結・決済・引き渡し
投資物件を探すにあたっては投資家自身で情報収集をするのも手段の一つですが、投資用不動産に特化した不動産業者を経由することで、市場に出回っていない物件の情報を水面下でキャッチできる可能性があります。
不動産投資は、良質な情報をいかに早くキャッチし、アプローチできるかという情報戦としての側面もあるため、投資用不動産の情報を日常的に取り扱う不動産業者にコンタクトを取ることから始めるといいでしょう。
投資物件の情報を得たら、物件周辺地図や間取り図面、営業図面等を参照して当該物件が具体的に投資検討をする価値のある物件か否かを精査します。
賃貸需要のあるエリアか、同エリアのニーズを満たす物件か、価格や現行賃料が適正水準かといった項目を精査するとともに、購入後のキャッシュフローがどのくらいになるか、売却益がどのくらい見込めるかといった資金計画も併せて立てておくと検討が進めやすくなるでしょう。
物件に関する情報を精査した結果、具体的に投資検討ができそうな物件であると判断できたら、実際に現地で物件視察をします。
実際の物件の雰囲気・劣化状態や周辺の生活環境など、地図や写真のみでは分からないこともあるため、購入前に一度は物件視察をするのが得策です。
空室住戸がある場合は室内の状況も確認し、修繕が必要な箇所はないか、入居者を探す際の強み・弱みはどのような点かといった事柄も考えておくといいでしょう。
物件視察の結果、投資する価値のある物件であると判断できたら、売主に買付証明書を入れます。
買付証明書とは、買主が売主に対して当該物件を購入する意思を示すための書面で、購入希望価格や物件の引渡時期等の情報が記載されます。
買付証明書には提出義務や法的拘束力はなく、取引の都度必ず提出されるわけではありません。
買付証明書で購入希望価格を提示したうえで、具体的に売主との価格交渉に入ります。
物件視察時に価格交渉の材料となりそうな情報(修繕が必要な箇所および費用、周辺のマーケットから導いた適正価格等)を収集しておき、数字の根拠を提示することで、交渉がスムーズにできる可能性を高めることができます。
購入価格は利回りや売却益に影響をもたらす重要な要素の一つであることから、万全な情報収集をしたうえで交渉に臨みましょう。
現金一括で購入する場合を除けば、金融機関に融資打診をして資金調達の手段を確保する必要があります。
具体的には、投資家個人の情報や物件資料等を提出し、金融機関の融資審査を受けるということです。
金融機関への融資打診は、物件を検討する段階で事前に行っておくこともあります。
融資の内諾を得ているという情報は、売主側への安心材料になるとともに、価格交渉の材料になる可能性もあるためです。
売主・買主間で取引内容に関する合意ができたら、売買契約の締結および手付金の支払いを行い、その数週間ないし数ヵ月後に残代金の決済と物件の引渡しを行うのが一般的です。
物件を購入した後は、運営のフェーズに入ります。物件の運営は以下のような流れで進んで進んでいきます。
■管理委託契約を締結する
■毎月の収支状況を確認する
■突発的なイベントへの対応
管理委託契約とは、空室住戸での入居者募集や修繕の手配、クレーム対応といった物件を運営するうえでの実務を賃貸管理会社にアウトソーシングする際に締結する契約です。
物件をオーナー自身で管理する場合、本ステップはありませんが、物件の運営には管理実務および建築に関する専門知識やノウハウが求められるため、一般の個人投資家の多くはアウトソースするのが得策でしょう。
毎月の収支状況の確認とは、賃料が正しく振り込まれているか、ローン返済や管理委託料等の費用が滞りなく支払われているかを確認する作業です。
賃料の滞納がないか、当初の資金計画の通りにお金が回っているかを毎月確認するのもオーナーとしての仕事の一つといえます。
物件の運営においては、入居者の退居や劣化した設備の修繕といった突発的なイベントが不定期に発生します。
各イベントの一時的な窓口は賃貸管理会社であることが多く、オーナーは賃貸管理会社から報告を受けて対応をすることになります。
オーナーの仕事は、発生した事象について賃貸管理会社に対応指示を出すということです。
具体的には、次の入居者を募集する際の条件設定をする、設備の修繕に関する見積書や報告書に基づいて発注指示を出すといった内容が挙げられます。
日本不動産を売却する際、概ね以下のような流れで手続きが進んでいきます。
■不動産業者にコンタクトを取る
■取引価格の合意をする
■売買契約締結・決済
所有中の物件を売却する際、オーナー自身で買主を見つけられる場合を除いては投資用不動産に特化した不動産業者に買主を探してもらうのが得策です。
不動産業者は物件を買いたい投資家の情報を多く持っているため、当該物件の価格や築年数、所在地等に応じて感度が高そうな紹介先が早く見つかるかもしれません。
当該物件を欲しがりそうな投資家に対して効率的に訴求しやすいという点が、不動産業者を経由して売却をするメリットの一つです。
買主候補が見つかったら、取引価格の交渉を行います。
買主が強気な価格提示をしてくる可能性もあるため、求める最終的な利益から逆算して、いくらまでなら価格交渉に応じられるかを事前に想定しておくとスムーズに交渉できるかもしれません。
いくらで売れば最終的な利益がいくらになるのかという点を常に念頭に置きながら取引価格の合意形成を進めていきましょう。
売主・買主間で取引内容に関する合意ができたら、売買契約の締結および手付金の受領を行い、その数週間ないし数ヵ月後に残代金の決済と物件の引渡しを行うのが一般的です。
購入時に物件を探す際や売却時に買主を探す際に、不動産業者を通すと仲介手数料がかかります(物件価格の3%+6万円)。
5,000万円の物件であれば156万円(税抜)、3,000万円の物件であれば96万円(税抜)の費用がかかるということです。
手数料を削減するために不動産業者を通さず購入・売却をするのも選択肢の一つですが、オーナー自身が広いネットワークを持っている場合を除いて、情報を迅速かつ広範囲で収集・拡散するにはプロである不動産業者に依頼をする方が合理的でしょう。
日本不動産への投資においては、不動産業者と協力しながら情報を収集・拡散することが成否を分ける重要な要素の一つといえます。
特に海外投資家は、日本の土地勘やマーケット情報、取引に際しての細かい慣習などにおいて不明な点が多くあることが考えられるため、信頼できる不動産業者をパートナーとすることが大事です。
なお、本記事における解説情報はあくまで一般論であり、個別具体的な考え方や手法は投資物件によってケースバイケースです。
より詳細な情報やノウハウ等についてはお気軽にお問い合わせください。