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副業になる?サラリーマンが不動産投資をする際の4つの注意点

 

不動産投資に対して融資をする金融機関や投資用不動産に特化した不動産業者の出現により、現在では一般的なサラリーマンでも十分に不動産投資が行えるようになりました。

不動産投資が地主や富裕層といった限られた層以外にも浸透しつつあることを背景に、給与所得以外の収入源の確保や効率的な資産形成、老後への備えといった目的で不動産投資を検討するサラリーマンは少なくありません。

 

サラリーマンが不動産投資を検討する際に抱く疑問点として、不動産投資は「副業」に該当するため会社側から規制を受けないかという点が挙げられるのではないでしょうか。

本記事では、サラリーマンの副業への規制について言及したうえで、サラリーマンが本業とは別に不動産投資を行う際の注意点について解説します。

 

 

【目次】

 

1-従業員の副業意欲と会社側の姿勢

2-不動産投資は「副業」に当たるか?

3-サラリーマンが不動産投資をする際の4つの注意点

┗3-1本業に支障を及ぼさない

┗3-2勤務先の秘密を漏洩しない

┗3-3勤務先の名誉・信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為をしない

┗3-4競業により勤務先の利益を害さない

4-まとめ

 

 

従業員の副業意欲と会社側の姿勢

 

2017年より国家単位で打ち出されている「働き方改革実行計画」のテーマの一つに、副業の推進が掲げられています。副業が国家単位で推進されはじめている一方で、某大手人材業者が実施したアンケート調査によれば、「あなたは現在「副業」をしていますか」という質問に対して「している」と回答した割合は約10%にとどまっているのが実情です。

 

実際に副業をしていると回答した割合が約10%にとどまっている一方で、「副業をしたいと思いますか」という質問に対しては、全体の64.3%が「すぐにでもしたい」または「いずれしたい」と回答しています。

その中でも特に20代の層が副業に対して強い関心を持っており、男性では82%、女性では70%に達しています。

 

副業を推進する社会的な潮流があり、かつ若い層を中心に副業への前向きな姿勢が見られながらも、実際に副業をしていると回答した割合が低いのは、会社側が従業員の副業に対して後ろ向きであることが一因として考えられるでしょう。

「あなたがお勤めの会社で「副業」が認められていますか」という質問に対して、「認められている」と回答した割合は約30%にとどまっており、従業員と会社側で副業に対する意識の差があるのかもしれません。

 

国家の推進の下において一部の先進的な有名企業がサラリーマンの副業を積極的に認めたとしても、日本全体という広い視点で見れば、まだまだ認められない体質が根強く残っている可能性があります。

 

 

 

不動産投資は「副業」に当たるか?

 

「副業」には厳密な定義付けがされていないため、不動産投資が「副業」に該当するか否かを明確に言い切ることは難しいでしょう。

「副業」を「勤務先からの給与収入等以外の収入を得るための仕事」と広く捉えれば、不動産投資は「副業」に該当する可能性があります。

 

仮にサラリーマンの不動産投資が「副業」に該当するとしても、会社側からの規制を受ける可能性は低いといえるでしょう。

サラリーマンの副業をめぐる裁判例および厚生労働省の見解によれば、会社側が従業員の副業を規制できるのは以下4つのいずれかに該当する場合であると考えられているためです。

 

・労務提供上の支障となる場合

・企業秘密が漏洩する場合

・企業の名誉・信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合

・競業により企業の利益を害する場合

 

 

サラリーマンの不動産投資が「副業」に該当するという理由で会社側から全面的かつ一律に規制されることになると、相続によって意図せず賃貸アパートを取得した場合やマンションまたは戸建を購入した後に会社都合で転勤になり、不在期間中のみ賃貸するといった場合にも会社側から規制を受けることになってしまいます。

 

サラリーマンの不動産投資が「副業」に該当したとしても、勤務時間中に個人の不動産投資に多大な時間と労力を費やすことで本業に支障が出ている場合や、個人の不動産投資に関する取引が会社側の利益と相反する場合などを除けば、会社側から規制を受ける可能性は低いといえるでしょう。

 

 

サラリーマンが不動産投資をする際の4つの注意点

 

会社内での立ち位置や評価と不動産投資による個人の資産形成を両立させるために、サラリーマンが副業で不動産投資を行う際には以下4つの点に留意し、会社側から規制を受けないように細心の注意を払って行うのが得策です。

 

■本業に支障を及ぼさない

■勤務先の秘密を漏洩しない

■勤務先の名誉・信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為をしない

■競業により勤務先の利益を害さない

 

 

本業に支障を及ぼさない

 

個人で行う不動産投資に時間と労力を過度に割いた結果、サラリーマンとして行う本業の仕事に支障が出てしまうと、会社側から不動産投資を止めるように勧告される等の規制を受けてしまう可能性があります。

 

不動産投資が本業に支障を及ぼす場合とは、不動産投資を行っていることが原因で以下のような状況が発生している場合です。

 

・本業での長時間労働が生じて、自身の健康に悪影響を及ぼすおそれがある

・無断欠勤や不要な長時間外出が頻発する

・本業の遂行において遅滞や漏れ等のミスが生じる

 

初心者のうちは投資物件数を少なくしたり、物件運営の実務は賃貸管理会社にアウトソーシングしたりして、副業である不動産投資がサラリーマンとしての仕事を十分に完遂できる範囲を超えることのないようにしましょう。

 

 

勤務先の秘密を漏洩しない

 

個人が行う不動産投資を通じて勤務先の秘密を漏洩する場合としては、不動産会社に勤めるサラリーマンが個人の不動産投資のために勤務先の事業スキームやノウハウ、個人情報などの社外秘データ等を社外で公開または利用する場合が考えられます。

 

業務上知り得た秘匿情報を自身の不動産投資のために社外に持ち出すと、会社側から損害賠償を請求される、刑事告訴される、解雇される等の事態に発展することもあり得るため、勤務先の秘密を漏洩しないように細心の注意を払いましょう。

 

勤務先の名誉・信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為をしない

 

サラリーマンが専ら自己の不動産投資のために勤務先の会社名を使用した場合などは、勤務先の名誉・信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為であるとして会社側から規制を受ける可能性があるでしょう。

 

個人で所有している物件の売却や賃貸の営業活動をする際や専ら個人で購入するための物件を探す際に、会社の名前を使用するというケースが具体的なシチュエーションとして想定されます。

 

不動産会社に勤めている場合であっても、会社の事業と個人の不動産投資を混同させないように明確に分ける必要があるでしょう。

 

 

■競業により勤務先の利益を害さない

 

不動産会社に勤めているサラリーマンが個人で不動産投資をしている場合などにおいては、個人の不動産投資が勤務先の会社が行っている事業と競合して利益相反となる可能性があります。

会社が購入しようとしている物件のオーナーに対して、同社の従業員が水面下で個人的に会社の提示した購入価格よりも高い価格での購入を申し出る場合などが想定され得る具体例として挙げられるでしょう。

 

従業員は会社が行おうとしている事業スキームや仕入れルート、仕入れ原価といった情報を業務上知り得るため、それらを活用して個人の不動産投資に利益をもたらすことができる場合があるかもしれません。

個人の不動産投資が会社との利益相反行為にならないように、業務上知り得た情報の取り扱いには注意が必要です。

 

 

まとめ

 

サラリーマンの副業が推進されている現在において、不動産投資は会社側から規制を受ける可能性を抑えつつ、資産形成と副収入の確保を図ることができる合理的な選択肢の一つといえるでしょう。

副業への追い風が吹き始めている状況である一方で、サラリーマンが不動産投資を行う際には、本業や勤務先に悪影響を及ぼさないようにバランスを考えることが重要です。

 

なお、本記事における解説情報はあくまで一般論であり、個別具体的な考え方や手法は投資物件によってケースバイケースです。より詳細な情報やノウハウ等についてはお気軽にお問い合わせください。

 

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