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失敗しない物件選びのためのマイソクチェックポイント5選

不動産投資において失敗しない物件選びをするためには、立地や間取り、利回りといった多くの情報の中から重要な情報のみを抽出し、複合的に勘案することが求められます。

物件選びをする際に重要な役割を担う情報の大部分は、マイソクと呼ばれる1枚の紙面上にまとまっているため、失敗しない物件選びはマイソクを読むことからスタートするといえるでしょう。

マイソクには多くの情報が散りばめられているため、慣れないうちはチェックすべきポイントが分からない投資家も少なくありません。そこで、本記事では「失敗しない物件選びのためのマイソクチェックポイント5選」について解説します。

 

【目次】

1-マイソクとは?
2-失敗しない物件選びをするためにはマイソクを読めることが必要
3-失敗しない物件選びのためのマイソクチェックポイント5選
┗3-1所在エリア
┗3-2築年数
┗3-3賃借人の有無
┗3-4ランニングコスト
┗3-5利回り
4-まとめ

 

マイソクとは?

マイソクとは、「毎日速報センター」という不動産業者からの依頼を基に物件情報が記載された図面を他の不動産業者に配布する事業に由来する略称です。マイソクには、物件の外観および室内の写真や所在地、間取り図といった情報が一枚の図面としてまとめられています。不動産業者からの物件紹介やネットへの物件掲載にはマイソクが用いられていることがほとんどであるため、マイソクは不動産業界における共通言語ともいえる重要な存在といえるでしょう。

投資検討をする価値がある物件か否かという一次的な判断をする際には、マイソクから十分な情報を得られることが多くあるため、マイソクから必要な情報を素早く抽出できるようになることが、失敗しない物件選びのための第一歩であるともいえます。

 

失敗しない物件選びをするためにはマイソクを読めることが必要

物件選び(マイソクを見てから購入候補の物件を絞り込むまで)の一般的なステップは以下の4ステップです。

・マイソクを見て、投資検討の余地がある物件を抽出する-①
・①で抽出した物件について、補足資料も含めて詳細に熟慮する-②
・②の結果、現地訪問する物件を絞り込む-③
・③の結果、買い付けを入れるか検討する-④

物件選びをする際、物件の実物よりも同物件のマイソクを先に見る場合の方が圧倒的に多く、数十枚ないし数百枚以上のマイソクを精査した中で現地訪問に至るのは10件以下であることも少なくありません。1件の優良な物件を選ぶためには、数百件以上のマイソクを読まなければいけないこともあるということです。

不動産投資は情報戦である側面が非常に強いため、物件選びは早い者勝ちの争奪戦といっても過言ではありません。物件選びの判断が遅れると、他の投資家に先に買い付けを入れられてしまうことも往々にしてあり得ます。自分の条件に合った物件を見つけたときに素早く投資判断を下せるように、マイソクを正しく読めるようにしておくことが得策です。

 

失敗しない物件選びのためのマイソクチェックポイント5選

マイソクには物件選びの中心となる重要な情報から瑣末な情報まで幅広く散りばめられています。一見すると膨大な情報の中で、失敗しない物件のためにチェックすべきポイントは以下の5点です。

・所在エリア
・築年数
・賃借人の有無
・ランニングコスト
・利回り

 

  • 所在エリア

所在エリアは一般的に「立地」とも呼ばれており、物件がどのようなエリアにあるのかを示すものです。所在エリアを見る際は、物件の住所に加えて、最寄駅および主要ターミナル駅(都内でいうと新宿、渋谷、池袋など)までのアクセスや周辺の住環境(スーパーやコンビニ等の生活インフラ)まで広く調査しましょう。

以下3つのいずれかに該当するエリアに所在する物件は、即座に投資検討の余地がないとすることもあり得ます。

・賃貸需要が縮小していくことが予測される
・交通利便性が著しく悪い
・住環境として相応しくないエリア

不動産投資は借主と買主のニーズを満たしてはじめて完成する投資であるため、賃貸需要が縮小して借主を見つけることが困難であることや、大幅に売値を下げなければ買主が見つけられないことが予測されるエリアの物件は、物件選びとして失敗になってしまう可能性が高いでしょう。

 

  • 築年数

築年数を見る際は、以下の3点に留意しましょう。

・建物の耐震性
・設備の劣化状況
・修繕積立金の値上がり可能性

耐震性とは、建物が耐え得る地震の規模を測る指標であり、旧耐震基準(1981年5月31日以前の耐震基準)または新耐震基準(1981年6月1日以降の耐震基準)のいずれかに該当します。旧耐震基準における耐震性は、「震度5強程度の地震では、ほとんど建築物が損傷しない」という基準にとどまっており、震度6以上の大規模な地震に見舞われることの多い日本においては不十分といえるかもしれません。

築年数が経過するほど建物内の設備が老朽化し、劣化が進行している傾向があるため、購入後に大規模な設備交換や修繕工事に伴う多額の出費が必要になることも想定されます。築年数が経過した物件を検討する際は、各種設備の交換履歴も併せて参照することで設備の劣化状況を推測することができるでしょう。

修繕積立金とは区分マンションにおいて大規模修繕に向けて全オーナーから毎月徴収されるお金のことです。一般的に修繕積立金は築年数とともに値上がりを続け、築年数が経過しているほど高額になる傾向があります。修繕積立金の値上がり可能性については、マンション管理会社に確認しましょう。

築古であるという理由のみで物件選びとして失敗となることはありませんが、築年数は建物の耐震性や修繕リスクと密接に結びついているという認識を持っておく必要があるといえるでしょう。

 

  • 賃借人の有無

購入時点においての賃借人の有無は、購入直後のキャッシュフローに大きく影響します。賃借人のいない物件(空室物件)を購入すると、ローン返済が始まってからも賃料収入がないという状況が発生し、投資初月から赤字スタートになるリスクがあるためです。賃借人がいない場合はマイソクに「空室」や「想定賃料」という文言がある場合が多いため、確認しておきましょう。

賃借人がいない物件を購入すると、キャッシュフローが悪化し得ることに加えて、賃借人募集に係る費用を負担しなければならなくなることがあります。賃借人募集に係る費用としては、ADとも呼ばれる仲介会社への報酬(成約賃料の1〜2ヶ月分)や賃貸管理会社への手数料(成約賃料の0.5〜1ヶ月分)が一般的です。空室物件を購入する際は、空室期間中のローン支払や賃借人募集に係る費用を見込んで手元資金を確保しておきましょう。

 

  • ランニングコスト

不動産投資におけるランニングコストの具体例は以下の通りです。

・ローン返済
・税金(固定資産税および都市計画税)
・町内会費
・賃貸管理会社への管理委託報酬
・共用部の水道代および電気代
・管理費および修繕積立金

マイソクに記載のあるランニングコストもありますが、税額や共用部の水道代および電気代の詳細な金額等は記載がない場合もあるため、売主側に確認しましょう。ランニングコストはいずれも月間または年間の収支に影響するため、少額であっても購入前のキャッシュフロープランに発生時期と金額を織り込んでおく必要があります。

 

  • 利回り

マイソクには利回りの記載があるのが一般的であり、物件選びにおいて利回りを確認する必要性として以下の2点が挙げられます。

・運用パフォーマンスを測る
・周辺相場と大きくかけ離れていないか確かめる

不動産投資における利回りとは、物件価格に対して毎年どの程度のパーセンテージで賃料収入が得られるかを示す指標であり、当該投資物件の運用パフォーマンスを測る際の最も重要な基準の一つです。利回りが高いほど運用パフォーマンスが高く、投資物件としての魅力も高いといえます。

不動産投資の利回りはエリアによって一定の相場があるため、周辺相場と比較して高すぎるまたは低すぎる物件には注意しましょう。利回りが周辺相場よりも高すぎる場合は、現賃借人の賃料が高すぎる可能性があります。高い賃料のままでキャッシュフロープランを組むと、現賃借人が退去した後に賃料が大幅に下がって資金ショートするリスクがあるでしょう。利回りが周辺相場よりも低すぎる場合は、現状の売出価格が高すぎる可能性があります。提示通りの価格で購入すると、購入時から含み損を抱えることになり、売却時に大きな売却損が出るリスクがあるでしょう。

 

まとめ

物件選びで失敗しないためには、マイソクを正しく読めるようになり、数ある投資物件の中から真に投資を検討する価値のある物件を抽出する能力が重要といえます。ポイントを絞り、どの項目をどのような基準でチェックするかを理解して、物件選びにおける失敗を可能な限り低く抑えましょう。

なお、本記事における解説情報はあくまで一般論であり、個別具体的な考え方や手法は投資物件によってケースバイケースです。より詳細な情報やノウハウ等についてはお気軽にお問い合わせください。

 

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